現場入力はスマホ、整理と出力はPC。業務アプリの役割を分けた理由
現場入力はスマホ、履歴確認・整理・印刷はPCへ分け、共通データを端末ごとに違う導線で扱うようにした実体験を紹介します。
この記事で分かること
- 画面幅を変えるだけでは現場と事務所の両方で使いやすくならなかった
- スマホは現場入力、PCは履歴・一覧・確認・印刷へ役割を分けた
- 完全な別アプリにはせず、共通データを端末別の導線で扱った
自作アプリを作り始めた頃は、一つの画面をレスポンシブ対応すれば、PCでもスマホでも使えると考えていました。
実際に現場で使うと、画面が収まるだけでは足りませんでした。
スマホでは、立ったまま対象の案件を開き、その場で採寸やメモを入力します。PCでは、複数の履歴を見比べ、内容を直し、印刷や出力へ進みます。
同じデータを扱っていても、作業の目的が違います。そこで、同じUIを無理に使うのではなく、スマホは現場入力、PCは整理と出力へ役割を分けました。
画面幅へ合わせるだけでは使いやすくならなかった
PC向けの一覧をスマホ幅へ縮めれば、表示自体はできます。しかし、文字やボタンが小さくなり、現場で必要な項目へたどり着くまでの操作が増えます。
反対に、スマホ向けの入力画面をそのままPCへ広げても、複数の情報を見比べる利点を生かせません。
問題は画面サイズだけではなく、その端末をどこで、何のために使うかでした。
スマホは現場入力へ寄せた
現場では、短い時間で対象を確認し、その場で情報を残せることを優先しました。
採寸では、寸法や現場メモを入力します。写真や帳票を残す場合も、スマホのカメラを使います。
すべての情報を一画面へ並べるのではなく、その作業で必要な入力へ進みやすい導線にしました。
PCは履歴・一覧・確認・印刷へ寄せた
事務所へ戻った後は、入力した内容を一覧で確認し、必要なら再編集します。複数の履歴を見比べたり、印刷や集計へ進んだりする作業はPCの方が向いていました。
PC側では、一度に多くの情報を表示できること、キーボードで修正しやすいこと、印刷前に全体を確認しやすいことを重視しています。
スマホでも理論上はできる操作でも、無理に同じ導線へ入れないようにしました。
採寸で役割分担がはっきりした
畳や襖の採寸では、現場で記録した後に、履歴確認、再編集、集計、印刷などの作業が続きます。
現場入力と後工程を一つの画面へ詰め込むと、スマホでは操作が多くなり、PCでは一覧性が足りなくなりました。
そこで、現場では入力へ集中し、PCでは記録を整理して次の仕事へつなげます。採寸項目を増やすことより、作業の切れ目を分かりやすくすることが重要でした。
寸法計算そのものを見直した例は、襖寸法の手計算をアプリへ移した記事で紹介しています。
完全に別のアプリにはしなかった
PC用とスマホ用を完全に別アプリへすると、同じ処理を二重に直す場面が増えます。仕様変更のたびに両方を保守する必要もあります。
そのため、データと基本的な処理は共通にし、画面の入口と導線を端末に合わせました。
共通の案件・履歴データ
├─ スマホ:現場で確認・入力
└─ PC:一覧・再確認・整理・印刷
別々の製品を作るのではなく、同じ仕事へ異なる入口を用意する考え方です。
役割を分けることで保守は増える
画面を分けると、端末ごとの確認が必要になります。
- 同じデータが両方で正しく見えるか
- スマホで保存した内容をPCで確認できるか
- 処理を変更したときに導線が食い違わないか
- 片方だけ古い説明になっていないか
一つの画面を共用するより保守箇所は増えます。それでも、現場で毎回使う入力と、事務所で行う整理を無理に同じにしない価値が上回ると判断しました。
紙や既存ツールで十分な場合もある
扱う件数が少なく、一人で採寸から印刷まで行うなら、紙の寸法帳や既存の表でも十分な場合があります。
自分たちの場合は、現場で入力した内容を複数の後工程へつなぎ、PCから履歴を確認したかったため、共通データを持つ自作アプリが合いました。
紙やExcelから自作アプリへ移した全体の経緯は、Excelで足りなかった理由をまとめた記事でも紹介しています。
まとめ
PCとスマホを同じ画面にそろえることより、端末ごとの作業へ合わせることを優先しました。
スマホは現場入力、PCは履歴・一覧・再確認・印刷を中心にしています。ただし、完全な別アプリにはせず、共通データと共通の処理を使います。
端末性能ではなく、そこで何をするのかからUIを決める。実際の現場で使って、ようやく分かった役割分担でした。