半日かかっていた案件確認を約30分に。畳屋が自作アプリで業務を変えた話
1000件を超える案件から必要な約40件と鍵情報を確認する作業を、紙の手作業、Excel、自作アプリへと段階的に改善した実体験を紹介します。
この記事で分かること
- 1000件超から必要な約40件を確認する作業を段階的に改善した流れ
- 紙では半日、Excelでは約2時間半、自作アプリでは約30分になった概算実績
- アプリ化しても対象案件と鍵情報は人が最終確認していること
畳屋の仕事には、畳を作る時間だけでなく、現場へ行く前の確認作業があります。
自分の現場では、1000件を超える案件の中から、そのとき必要な約40件を探し、現場に関係する鍵情報まで確認する作業がありました。以前はこの確認だけで半日ほどかかることがありました。
そこで、いきなり大きなシステムを作ったのではなく、最初はExcelへ移し、それでも残った不便を自作アプリにしました。現在は同種の確認作業を約30分で終えられるようになっています。
「1000件超」「約40件」「半日」「約2時間半」「約30分」は、自分の実際の作業をもとにした概算です。案件数や確認条件によって時間は変わります。
どんな作業だったか
必要だったのは、案件一覧を眺めることではありません。
大量の案件から今回確認すべきものを見つけ、対象が合っているかを確かめ、現場へ入るために必要な鍵情報も確認する作業です。
対象は毎回同じではなく、一覧にあるすべての案件を処理するわけでもありません。1000件を超える情報の中から、必要な約40件へ絞るまでに時間がかかっていました。
鍵番号や個人を特定できる情報は、この記事には掲載しません。業務改善の中心は、情報そのものではなく、必要な案件へたどり着くまでの流れです。
紙と手作業ではなぜ時間がかかったか
紙と手作業で確認していた頃は、一覧の中から対象を一件ずつ探し、見つけた内容を別の情報と照らし合わせていました。
一件の確認は短くても、母数が1000件を超えると、探す、戻る、見直すという動作が積み重なります。途中で別の仕事が入ると、どこまで確認したかを追い直す必要もありました。
時間がかかっていた原因は、作業者の速さよりも、必要な情報へ到達するまでの手順が長いことでした。
Excelに移したらどう改善したか
最初の改善はExcelでした。
紙の情報を表として扱えるようになると、並べ替えや絞り込みができ、紙をめくり続ける作業は減りました。確認対象を探しやすくなり、作業時間は半日ほどから約2時間半まで短くなりました。
この段階だけでも大きな改善でした。Excelへ移したことは失敗ではなく、どの情報が必要で、どこに時間がかかるのかを整理するための重要な一歩でした。
それでも残った問題
Excelにしても、毎回の絞り込みや確認手順がなくなったわけではありません。
列が増えると、必要な情報を探すために横へ移動します。条件を変えるたびに操作が必要で、対象案件と鍵情報を行き来しながら確認する手間も残りました。
Excelはデータを整理するには便利でしたが、自分たちが繰り返している確認作業の順番までは、業務に合わせて案内してくれません。そこで、作業の流れそのものを画面にしたいと考えました。
自作アプリにした
自作アプリでは、「今回確認する案件へ絞る」「必要な情報を見る」「確認結果を人が判断する」という流れを中心にしました。
目的は、すべてを自動で決めることではありません。人が判断する前に、1000件を超える一覧を毎回見直す負担を減らすことです。
個人開発は、大きなサービスを作ることだけではありません。自分の仕事にある小さな不便から始める考え方は、個人開発は小さな不便から始めるでも紹介しています。
1000件超から必要な約40件を絞り込む流れ
アプリを使うときも、最初に条件を決めるのは人です。
その条件に合う候補を画面へ出し、対象として扱う案件が合っているかを確認します。最終的に扱うのは約40件ですが、この件数も時期や仕事の内容によって変わります。
重要なのは、1000件超をすべて目で追う時間を減らし、確認が必要な範囲を小さくしたことです。
1000件を超える案件
↓ 条件で候補を絞る
必要な約40件
↓ 人が対象を確認
鍵情報を確認
鍵情報は最後に人が確認する
鍵情報は、間違えると現場で困る情報です。そのため、アプリに表示された内容をそのまま無条件で正しいとは扱いません。
対象案件との組み合わせが合っているか、情報が古くないかなど、最後は人が確認します。具体的な鍵番号や、場所・個人を特定できる情報は公開しません。
アプリが担当するのは、確認すべき情報を見つけやすくするところまでです。
半日から約30分になった
自分の作業時間は、概算で次のように変わりました。
| 段階 | 確認にかかっていた時間 |
|---|---|
| 紙・手作業 | 半日ほど |
| Excel | 約2時間半 |
| 自作アプリ | 約30分 |
比較した作業範囲はほぼ同じですが、厳密なベンチマークではありません。案件数や確認内容が毎回完全に同じではないため、本人の概算実績として扱っています。
それでも、探す範囲を先に小さくしたことで、確認に使う時間が大きく減ったことは実感できました。
完全自動化ではない
約30分になっても、作業がゼロになったわけではありません。
- 今回の条件を決める
- 候補に漏れがないかを見る
- 対象案件が合っているか判断する
- 鍵情報を最終確認する
- 元の情報が正しいか確かめる
こうした部分は人が担当しています。自動化率100%を目指したのではなく、機械に任せやすい「探す作業」を減らし、人は確認と判断に集中する形にしました。
実際に使って見えた課題
自作アプリは、作ったら終わりではありません。
元データの内容や現場の運用が変われば、絞り込み方や画面の見せ方も見直す必要があります。また、操作を速くするために確認項目を省きすぎると、見落としにつながります。
機能を増やせば便利になるとは限りません。実際に使う順番に合わせ、必要な確認を残しながら、余分な操作だけを減らす調整が続きます。
まとめ
1000件を超える案件から必要な約40件と鍵情報を確認する作業は、紙では半日ほど、Excelでは約2時間半かかっていました。
自作アプリへ移してからは、概算で約30分まで短くなりました。短縮できた中心は、確認そのものではなく、必要な案件を探すまでの時間です。
Excelで一度整理したからこそ、繰り返している操作と、人が判断すべき部分を分けられました。現場の業務改善では、すべてを自動化するより、時間のかかっている手順を一つずつ減らす方が、自分たちには合っていました。